1999年 北海道ツーリング! 

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■7月19日(月)

−旭川黎明薬湯[7:30]−
 あー良く寝た。
 混雑している健康ランドは寝ることすらままならないが、すいている健康ランドは良く眠れる。実は今夜の宿も健康ランド「釧路黎明薬湯」の予定。すいているといいなぁ。
余談だけど、北海道にツーリングに行こうと思っているヒトは、もっと早起きしたほうがいい。北海道のツーリングにおいてのみどころの大半は早朝にあるのだから。
 夏場の北海道は早朝4時でも野球ができるくらい明るいので、そのくらいの時間には十分景色を楽しむことができる。「満喫」するなら早起きは欠かせないと思う。
 とか言いながら、我々は7時より早く走り始めることがない。とことん「うだうだ」なのだ。

−旭川黎明薬湯〜R39〜上川〜R273〜R333〜北見峠[10:30]−
 旭川から上川までは2日前と同じくR39での移動。今日は平日なのでダンプカーとかトラックが多い。北海道に来ると空気がいいせいか、ディーゼルエンジンの排気ガスに過敏になるような気がする。ダンプとかトラックだけじゃなく一般車でも、黒煙を噴いて走っているクルマの後ろは走りたくない。普段は仔ヒツジのような走りをしている(?)我々も、追い抜き・追い越しを繰り返す。
 クルマと違ってバイクでは、前走車が黒煙を噴けばひとたまりもない。息を止めて車間をあけるか、追い越してしまうか、我慢するしかない。もうこの世からディーゼルエンジンなんてなくなってしまえばいいと思う一瞬である。
 ワタシはどんなにかっこいいクルマでも、ディーゼルエンジンのクルマだけは絶対に買わないと思う。少なくとも黒煙を吐くようなクルマは買わない。

 上川からR39を離れ、R273を走る。まもなくR333に分岐する。
このへんから自衛隊の車両とよくすれ違うようになる。北見峠に近づくに連れてその量は増していく。なにか大きな演習でもあったのだろうか?ほとんど自衛隊車両の行列である。最近は三菱のジープの台数が減り、トヨタの「メガクルーザー」が多くなった。あんなの買ったら1台1千万円くらいするのに、数えたらキリがないくらい対向車線を走ってくる。国家予算ってスゴイと思った。
北見峠の近くで道路脇に自衛隊の三菱ジープが停まっていた。その後ろにメガクルーザーを含めて3〜4台が停まっていた。ジープのボンネットを開けていたので、オーバーヒートかもしれない。まぁ、本番じゃなくてよかったねぇ。

 スゴイと思ったものがもう一つ。
 R333はJR石北本線と絡み合うようにして走っているのだが、さらに「旭川紋別自動車道」という高速道路が現在施設中だ。かなり工事は進んでいるような感じがするくらい、カタチになりつつある。こんな山間部を縫うようにして道路を作るなんて、人間とはたいした生き物だと感心しながら走る。(よそ見・脇見運転はやめましょう)

北見峠 旭川から北見峠まで休まず走ってきたので、ちょっと休憩。
 北見峠までは天気が良かったのだが、北見峠の遠軽側は少し曇っていた。ま、あんまり気にしないけどね。
峠のドライブインでは、ちょうど開店時間のようで、オジサンがお店の準備をしていた。
 馬場氏が「ハラが減ってきた」というので、その手のお店を探しながら先へ進むことにした。
 馬場氏はワタシより体重が40kgも(!)軽いくせに、ハラが減るのはワタシより早い。燃費悪いよね。

−北見峠〜R333〜道の駅まるせっぷ〜R333〜端野〜R39〜?ドライブイン[12:30]−
 北見峠を過ぎてから、少し気温が下がってきた。今日もTシャツにサマージャケットというスタイルだが、峠を下ってから寒くなるのもなんか変だなぁ。
 道の駅まるせっぷに到着。たぶん食事なんかできるところはないだろうと思っていたのだが、思っていたとおりだった。
 駐車場に着くと、GPZ900R・GPZ1000RX・ZZR1100の集団が先客でいた。全部で6台くらいか。みんな長距離ツーリングらしい装備をしている。こんな時期に集団でツーリングを楽しめるなんて(しかもみんなKAWASAKIリッターバイク)、普段どんなことやってるヒトタチだろう?(自分たちもそう思われてるのかな?)
 集合管の官能的なサウンドを轟かせながら彼らは出ていった。駐車場にいた他のお客さんたちには、単にヤカマシイだけだったのかもしれない。水冷GPZ系の連帯感からか、手を振るとみんな手を振って応えてくれた(ちょっとウレシイ)。

北見峠のドライブインの駐車場 道の駅まるせっぷの駐車場
人影まばら 腹が減ったよ

 食事ができないのなら先へ進もう。
 遠軽からほんの数キロだが、一昨日走った部分の対向車線を走る。心の中で「道北ひとくくりっ」と思う。
 遠軽から先のR333は過去に走ったことはない。ちょっとワクワク。
 ここから端野までのR333は、ガイドマップにもあまり載っていないし、ツーリストのウワサにも出ないので、正直言ってあまり期待はしていなかったのだが、予想以上に気持ちのいい道だった。天気も快晴に変わり、交通量も少ないし、気分も上々。
 ルクシ峠の佐呂間側の眺めなんかは、かなりいい感じだ。けっこー気に入ったよ。

美幌にも波状丘陵があります

 端野に抜けてからR39と合流する。そういえばハラが減っていることを忘れていた。景色がよかったから、ハラが減っていることなんか、どこかにいってしまっていた。
 R39を美幌市街に向かう。美幌市街に入る手前に大きなドライブインがあったので、ここぞとばかりに立ち寄る。
 そう、朝食をとろうと思っていたのに、もうお昼なのである。
 ワタシは生姜焼き定食、馬場氏はチャーハンを食べた。どこでもありそうなドライブインの、どこでもあるメニューなのだが、美味かったです。



−?ドライブイン〜R39〜R243〜東藻琴豊富線〜道道102〜小清水峠[13:30]−
美幌 美幌市街でホクレンを見つけ、給油。
 天気もいいし、美幌からは寄り道をしながら進もうと思う。ここまで来れば、釧路も近いしね。
 美幌市街からR243をしばらく進むと、東藻琴方面に向かう「東藻琴豊富線」という地図でよく調べなければ出てこない道がある。愛用の「ツーリングマップル北海道」に、ハイライト表示されていたので通ってみることにしたのだ。
 この道がまたいい!牧場の中を縫うようにして走る。直線はほとんど無いが、北海道らしい景色が楽しめる道だ。
 実は途中、道を間違えた。どうやって正しいルートに戻ろうか検討しようとNINJAを道路脇に停めた。すると馬場氏が近寄ってきて言う。
 「いや〜っ、このミチなかなかイイねぇ」
 「うん、一本間違えているんだけどね」
 「……」

 ようするに、どこ走ってもいいものはいいのだ。

天下泰平 ジャガイモ畑だよね

 道道102に出た。ここから小清水峠に向かう。
 小清水峠方面を見てみると、峠の上に雲がどんよりしている。
 あちゃーっ、弟子屈方面は天気悪そー。
 携帯電話で釧路方面の天気予報を聞く。「曇りでところにより雨」。
 天気がいいのは小清水峠までかなと、ちょっとは心配したけど、いままでことごとく天気予報が外れているから大丈夫だろうと楽観視する。

 小清水峠の手前で数台のバイクとピースサインを交わす。彼らをよく見ると、レインスーツは着ていない。「雨は降っていないようだな」と思う。
 小清水峠はもうすぐだ、というところで想像していたとおり「濃霧!」。いや濃霧というより雲の中だ。
 峠に着いた…らしいが、濃霧で何も見えない。あぁ…、天気が良ければきっと絶景なのだろう。それよりこの先もこんな感じなのだろうか??

−小清水峠〜道道102〜R391〜「くりーむ童話」本店[14:30]−
 なんと、峠を過ぎて少し下ると、眼下に屈斜路湖が見えてきたではないか!しかも湖面は青い!晴れている?!硫黄山も川湯温泉も見える!さすが晴れオトコ、冴えわたってるぜ!
 一気に峠を駆け下る。おぉ!確かに晴れている!こうなったらアソコに行くしかないぜ!

小清水峠方面から見た屈斜路湖だよ

屈斜路湖 アソコとは「くりーむ童話」の本店である。「くりーむ童話」とはアイスクリームの名称である。川湯温泉周辺でないと手に入らないアイスクリームで、これがまたウマイのだ。過去に行ったことがある店舗は、川湯温泉街と900草原の2ヶ所だが、釧路のSATYにも売っているらしい。
 さて、「くりーむ童話」の本店は川湯温泉駅の近くにある。近くにあることは知っているけれど、行ったこともなければ正確な位置も知らないので、R391を注意しながら川湯温泉駅方面に進む。
 あった!小さい看板だけど、ハッキリわかる。迷わず左折する…っといきなりダートだぁ!ダートは走りたくないけど、「くりーむ童話」は食べたいし、もう本店も視界にとらえているので進むしかなーい!
 R391から100〜150メートルくらいダートを走ることになったが、背に腹はかえられない。一気にズダダダッと駐車場へ。
 駐車場には数台のクルマが停まっていた。平日ということもあってけっこーすいている。
 店内はログハウス風の作りだ。大きなガラス張りのケースには何種類ものアイスクリームが並んでいる。どれもうまそうだ。このなかでもワタシの好きな種類は「チーズ」と「ストロベリー」。これをダブルでいただく。そうだ、食べる前に撮影撮影!

くりーむ童話本店 こいつぁ絶品だ!

 とにかくウマイのだ。これは食べてみなければわからないと思う。弟子屈方面にお立ちよりの際はぜひ食べてみて欲しい。

−「くりーむ童話」本店〜R391〜中標津斜里線〜神の子池〜裏摩周展望台−
 調子にのったところで「裏摩周展望台」に行くことにした。ここ川湯温泉から裏摩周展望台に行くためにはR391を北上して中標津斜里線に入り、南下してくるパターンと、弟子屈方面に南下し、養老牛を経由して中標津斜里線を北上するパターンがあるが、弟子屈周りは大回りだし、これから開陽台方面にも行こうと考えているので、ここはやはり北回りルートだろう。
 とはいえ、川湯温泉と裏摩周展望台は地図上の直線距離では8km程度。この北回りルートだと、軽〜く30kmを超える。ま、こんなところが北海道だねぇ。
 摩周湖を見たいだけなら、摩周湖の第三展望台とかに行けばほんの5〜6kmだ。でも、数年前から摩周湖に行くなら裏摩周展望台に決めている。いや、ただ単にヒトが少なくて見晴らしがいいからなんですけど。

 さて、中標津斜里線を裏摩周展望台に向けて南下してくると、途中に「神の子池」がある。ここは、ホントに4〜5年前までは、原生林の中にひっそりと存在する神秘感漂う池だったのだが、今では原生林を切り開いて大きな駐車場がつくられ、見るも無残な姿に…。5年ほど前から毎年のように立ち寄っているのだが、なんかもう、水も汚れてきたみたいに見えるし、以前のような青さが薄れている。
 ワタシたち観光客がこうしてしまったんだろうけど、なんかとてもやるせない思いがした。ここもしばらく来ることはないだろう。

神の子池 確かに水はキレイなのだが… 水の青さが薄れてきた気がします
(季節のせいかな?)


 裏摩周展望台に到着。今日もいい天気だ。
 摩周湖には湖のほぼ中心に「カムイシュ」という島がある。過去十数年にわたって何度となく摩周湖に来ているが、一度も「霧の摩周湖」に出会ったことがない。「カムイシュ」もいつも必ず良く見えている。天気がいいことは確かにイイコトなんだけど、一度くらい「霧の…」を見てみたいものだ。

摩周湖 カムイシュも見える


 

−裏摩周展望台〜中標津斜里線〜摩周湖中標津線〜開陽台[15:30]−
 摩周湖と並んで北海道内の良く来るポイントの一つ「開陽台」。しかし、神の子池を見てから気分がどうも落ち込んでいて、開陽台の駐車場に来たのはいいが、展望台にも行かずにすぐ駐車場をあとにする。いや、景色はよかったんだけどね。
中標津
開陽台 景色は良かったんだけど気分が…


−開陽台〜中標津市街 ホームセンター「るっく」〜食堂「むつみ」[17:00]− 

ホームセンター「るっく」 お世話になってます

 開陽台を後にした我々は、ある目的のために中標津市街に直行。
 今回はキャンプはやらなかったが、たまにはキャンプもやることはあるのだ(ほとんどオートキャンプだけど)。で、キャンプといえばコンロとかランタンが必要(言い切るほどでもないか)。
 その手のグッズではコールマンやキャプテンスタッグなんかがメジャーだけど、一般的なガスを利用したコンロとかは専用のガスカートリッジを使うのがあたりまえ。でも、専用ガスカートリッジ(安売りで350円くらい)は一般家庭用ガスカートリッジ(カセットコンロとかのヤツ。4本セットで500円くらい)と比べてちょっと高いし、ガスがなくなったときに手に入れづらい(家庭用のはコンビニでも売っているからね)。同じガスなら(いや、正確にはだいぶ違うんだけど)安くて手に入りやすい一般家庭用ガスカートリッジをコンロとかランタンとかに使いたいと思ったことありませんかっ?!
 そんなあなたに、「555 マルチスタンド」!これさえあればイワタニとかのカセットガスカートリッジがコンロの燃料に使えます。使い方は、コンロの下側に取り付けるだけ。一応、コールマンとキャプテンスタッグのコンロで試してみました。標高の高いところで使わなければ問題ないようです。怪しさはヒシヒシと感じますが。


こんなパッケージでこんな製品です。 555 マルチスタンド GF-165
装着してみるとこんなカンジ。なかなか便利です。

 で、そのマルチスタンドを売っている店が中標津にあるホームセンター「るっく」なのです。
 この怪しげなガスカートリッジアタッチメントは注目度抜群で、使っていると欲しがるヒトも少なくない。いいことなのかどうかわからないけど、その都度「買ってきてくれ」ということになる。
 幸か不幸かこの店しか知らないので、中標津まで来るとこのホームセンターに買いに寄るのだ。なんと、去年は1個1380円だったのに、今年は980円になっている。怪しさに磨きがかかっているなぁ。今年は2個仕入れた。馬場氏も1個買った。
 マルチスタンドの入ったガセット袋はバッグの中には入りそうもなかったので、ネットに縛り付けるカタチでリアシートの上に固定した。(これが後であんなことになるとは…)

 「るっく」のあとは、これまた中標津では必ずと言っていいほど立ち寄る「むつみ」という食堂に寄る。ここは6〜7年前にふらりと立ち寄った一見なんの変哲もない食堂なのだが、ここの「からあげ定食」はとてもとても美味かったので、吸い寄せられるように来てしまう。こういった店は誰にでもあるものだと思うけれど、ワタシの場合、中標津に存在するのが難点である。

食堂「むつみ」も毎度お世話になってます。

 「むつみ」に寄るのはこれで4回目だ。迷うことなく「からあげ定食」880円を注文する。
 そういえば、北海道では「からあげ」のことを「ざんぎ」と呼ぶ場合が多いのだが、ここでは「からあげ」なのだ。道内のコンビニエンスストア「セイコーマート」とかでも「ざんぎ弁当」として存在したりするので、ごく一般的な名称のハズなのだが…。

コレがそのからあげ定食だ!

 食堂内では数人のお客さんがいた。店員のオジサンと親しげに話しをしているオジサンがいたのだが、我々が入ってきてからしきりにバイクの事故の話しをしている。どうやら前日あたりにバイクの死亡事故があったらしい。その場で聞いただけなので詳細は不明だが、バイク2台で新婚旅行に来ていた夫婦の奥さんのほうが、信号で追突されて亡くなったという事故のようだ。この手の話しは毎年聞くのだが、慣れるものではない。事故直後の場面にも何回か出くわしたことがあるが、そのたびに気を引き締める。北海道内のツーリングとしては、実質今日が最終日なので残りわずかだが気を引き締めていこう。

 そうこうしているうちに「からあげ定食」は来た。ウマイ。毎年変わらない味だ。
 ワタシの職場は東京の水道橋にあるのだが、昼食はその周辺の定食屋でとることが多い。「からあげ定食」なるものは当然ごく一般的にメニューにあるけれど、どこの店もここ「むつみ」の「からあげ定食」とは比較にならない。味はもとより量もだ。どうして同じ「からあげ」なのにこうも違うのだろう。今度行ったときはその謎を解明してみたい。

 食べ終わる頃には夕陽も傾きかけていた。時刻は17時前。今から釧路湿原に向かえば湿原に沈む夕陽が見られるかもしれない。
 中標津を後にしたワタシたちは、沈みゆく夕陽を見るべく釧路湿原に向かう。




−中標津〜道道13号〜虹別〜標茶町市街〜R391〜細岡展望台[18:30]−
 ここからはアップテンポなBGMが効果的です(^^)。
 道道13合はほとんどクルマが通っていない。日没も近いのでちょっととばす。といっても我々の場合、90km/hも出ていたら「かなりとばしている」部類に入るのだが。
 虹別を過ぎたあたりではまだ太陽は上空にある。「今回は間に合う」と思った。
 実は過去何回も釧路湿原に訪れているのだが、湿原に夕陽が沈む光景はまだ見たことがない。去年もそのチャンスがあったけれど、道に迷ってしまい、あげくに馬場氏の立ちゴケで見ることはできず。今年こそは「湿原に沈む夕陽」を拝みたいのだ。
 標茶市街を通過する頃、日はだいぶ傾いた。さて、夕陽を眺める展望台は何処にするか?やはり細岡の展望台だろう。湿原が見渡せて、太陽が湿原に沈んでいくように見える位置関係にあるのは細岡展望台がベスト!(いや、知らないだけでほかにもあるのかもしれないけどね)

 ここでワタシは大きな勘違いをしていた。標茶市街から細岡展望台までは40kmくらいあるのだ。すっかり「北海道感覚」になっていたワタシは、距離を完全に読み違えていた。細岡の展望台まではもうすぐだと…。

 オマケにトイレに行きたくなってきた。大である。途中何度となくどこかトイレのあるところに駆け込もうと思ったのだが、それでは夕陽が沈んでしまう。細岡展望台に行けばトイレがあることはわかっていた。もうすぐだと自分に言い聞かせた。アクセルを握る手に脂汗がにじむ。(細岡まであと30km)

 シラルトロ湖までくるともう見事な夕陽だった。ここで眺めても十分いいのだ。がしかし、トイレがない。いつしか「湿原に沈む夕陽」より「駆け込むトイレ」の方がプライオリティが高くなっていた。(細岡まであと10km)

 R391から細岡へ折れるところまで来たところでは、確かにまだ太陽は沈みきっていなかった。しかしそう、細岡展望台へ行くためには2〜3kmのダートを走らなければならない。だがこんなものに時間をかけてしまっては厳かな夕陽が…いやトイレがっ!(細岡展望台まであと5km)

 あらゆる神経とテクを駆使してダートを駆け抜ける。ちょっと古いがジェフ・スタントンもガイ・クーパーも真っ青だっただろう。(この時点でとっくに馬場氏は視界から消えていた)
 着いた!!駐車場だ!トイレだっっ!!
 トイレの脇にNINJAを停める。キーを抜くと同時に飛び降り、グローブもヘルメットもとらずにトイレに直行!

 …間に合った。生きてて良かった。幸福な一瞬である。なんでこんな排泄行為のために人間は苦労しなければならないのだろう?人間の住む環境や生活用品はどんどん便利になるのに、人間だけはムカシもイマも変わらない。ゴミパックでゴミを捨てられる掃除機がウラヤマシイ…。

 …間に合わなかった。トイレから出るとあたりはすっかり暗くなりかけていた。NINJAの隣に馬場氏のVFRが停まっている。ワタシがトイレに行っている間に馬場氏は展望台のほうに行ったようだ。
 展望台に行ってみる。ワタシたちが着く前までは夕陽を見に来た人たちがたくさんいたようなのだが、もういない。太陽もすっかり沈みきっている。「Again」また今年もだめだった。

日没直後の釧路湿原。まだ明るい。 この女の子2人がいなくなると我々だけに…

 でも、展望台からの眺めは良かった。日は沈んだとはいえ、まだ明るい。見渡す限りの湿原も良く見える。馬場氏と暗くなるまで展望台にいた。2人きりだった。一緒にいるのが女の子でなく、なぜ馬場氏なのだろうと勝手に思っていた。たぶん馬場氏もそう思っていたに違いない。

明るいけど日は沈んでしまってます また今年も日没に間に合わなかった

 すっかり暗くなってきたので、釧路市街へ向かうべく駐車場へ。
 ここでオドロキ!例の「マルチスタンド」が駐車場に落ちているではないか。馬場氏が「ラッキー」とばかりに拾う。う〜ん、運のいいヤツ…と思った。
 ふとNINJAのリアシートを見ると、何かおかしい。「マルチスタンド」の入ったガセット袋がボロボロである!!
 犯人はすぐわかった。カラスだ。駐車場周辺に住みついていて、ガセット袋を見つけると食い物と思って襲うらしい。気を付けねば。

コレがカラスの爪あと。


−細岡展望台〜R391〜R44〜釧路黎明薬湯[19:30]−
釧路 細岡の展望台から釧路市街は近いのだ。すぐに市街に入る。
 今夜の宿も、定番「黎明薬湯」である。ここは大きなゲーセンが併設されているので、遊ぶのにもことかかない…ハズなのだが、どうやらゲーセンは改装工事中のようだ。ちょっとがっかり。
 この「釧路黎明薬湯」は何度来たかもう覚えていない。馬場氏とは何度も来ているが、弟とも来たし会社の出張でも利用した(オイオイ)。大きくてキレイでメシもウマイ。お気に入りの健康ランドだ。
 明日は昼12時釧路港出発のフェリーに乗るだけなので、今日が北海道最後の夜だ。風呂に入ってさっぱりしたところで、飲もう!馬場氏よ、大いに飲もう!
 ここに限ったことではない。北海道は何処に行っても食べ物がウマイ。酒もすすむというものだ。
 途中から何を飲んだのか食べたのか記憶にない。幸せな夜は更けてゆく。
 (23時頃、爆睡)






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